こんにちは。サステナビリティ分科会の俵藤です。
「サステナビリティは全世界が共有できるゴールである」という言説があります。
その根拠として、環境問題には越境的な性質をもつものが多いため、国際的な協力なしに環境問題を解決することは困難であるという事実があります。また、自然環境は生き物としての人間の精神と強い繋がりを有しているため、世界中の人間がある程度の共感を持って環境問題の解決を目指すことができるだろうという考え方もあるようです。
北京セッションのキックオフが約10日後に迫った現在、私たちサステナビリティ分科会は、議論を通してこの認識の違いをしっかりと明らかにできるように最終調整を行っています。ですが、これがかなり難しいのです。
認識の違いを明らかにするための問いを作ることは、一般に難しいものです。認識というものは自分が身を置く環境の中で時間をかけて形成されるものであり、普段自分の認識を見直すことはないですし、どこを見直すべきかもわからないものです。
加えて、サステナビリティに関する認識を明らかにする問を作るのは特に難しいものです。サステナビリティに関して抽象的に論じることは非常に難しいため、具体的な問題(気候変動、大気汚染など)を取り上げつつ問いを作るのが順当です。しかし、具体的な問題を取り上げると、具体的な問題に関する議論に集中してしまい、本来の目的である「認識の違いを明らかにする議論」が満足に行えない可能性が高くなってしまうのです。
現在は、しっかりと認識の違いを浮き彫りにすることのできるような議論を目指して、ああでもないこうでもないと悩みながら調整を進めているところです。残された準備時間を有効に使いながら、より適した問いを検討していきます。
議論の内容はその流れによって変質していくものですが、必要な時にうまくアドリブを利かせられるようにするためにも、必要な準備をしっかりと行っていきたいのです。
俵藤あかり