こんにちは、京論壇2017副代表の新城真彦です。
9月2日から9月8日まで中国・北京において北京セッションが開催されました。
中国は日本を追い抜かして世界第二位の経済大国となり、今でも急激に発展しています。格差や環境問題など課題は山積ですが、それでも発展の終わりは見えません。
北京を実際に訪れてみて、その渦巻くパワーを実感しました。
ある専門家によると、中国において約十年後シンギュラリティが起こり、圧倒的に生活環境が変わるそうです。実際に現金がほとんど使われてない状況やシェアリングエコノミーが普及している状況を見てみたら、あながち間違いでもないのかなと思いました。
その急激な発展は何によってもたらされているのでしょうか。人口、国土、政治体制などさまざまな原因があると思います。
しかし、自分が一番身にしみて感じたのは「テキトーさ」でした。「パーフェクトじゃなくてもええんやで」という雰囲気が中国には充満しています。この寛容な社会がトライアンドエラーを促進し、成長に導いたのではないでしょうか。
(写真:南京地下鉄にておなかを出しながら電話を掛けるおじさん)
社会の空気としての寛容さはマナー面だけではないようです。数年前から北京などの大都市ではシェアリング自転車が登場しました。電子マネーを使ってその場で1元(17円前後)支払うと1時間乗れます。町中に黄色やオレンジに塗られた自転車があるので、使いたいときに使え非常に便利です。
もちろん、その自転車にも問題点があります。町中に大量にあるため、人口密集地では通行の邪魔になります。子供やお年寄りがぶつかりケガをすることもあり得ます。自転車を私物化する人もいます。
問題やリスクはたくさん考えられます。しかし、厳しく規制されてはいません。なぜなら、便利だからです。この便利さと「安心安全」を天秤にかけたとき、便利さが上回るのです。
中国人は他人が自分に対してかける迷惑について寛容です。自分が「テキトー」な分、他人に対してもおおらかなのです。
もちろん、安心安全であることは重要です。しかし、少し問題が想定されていても、「べつにいいや」って考えて新しいものを導入し、試行錯誤を繰り返してどんどん進化していくという気風を強く感じました。
中国人は他人が自分に対してかける迷惑について寛容です。自分が「テキトー」な分、他人に対してもおおらかなのです。
もちろん、安心安全であることは重要です。しかし、少し問題が想定されていても、「べつにいいや」って考えて新しいものを導入し、試行錯誤を繰り返してどんどん進化していくという気風を強く感じました。
国民の安心安全を守るのは国の責任です。従って政府の規制も理解できることではあります。しかし、安心安全にこだわるあまり、もっと便利で新しいものに一歩足を踏み出すのを恐れているのではないでしょうか。
日本の安心安全の水準は世界最高レベルで私たちはその豊かさを享受しています。これは素晴らしいことであり、他国にも尊敬されている一面ではあります。でも、もうすこし「テキトー」になって、もっと便利で新しいものを受け入れなければ、世界の潮流にますます取り残されるのではないのでしょうか。
日本の安心安全の水準は世界最高レベルで私たちはその豊かさを享受しています。これは素晴らしいことであり、他国にも尊敬されている一面ではあります。でも、もうすこし「テキトー」になって、もっと便利で新しいものを受け入れなければ、世界の潮流にますます取り残されるのではないのでしょうか。
一週間北京での滞在を終えた東大生とこれから一週間東京で滞在する北京大生の議論の成果発表会が10月8日(日)に東京大学駒場キャンパスにて開催されます。双方の住んでいる世界を理解し、あらたな知見を得た東大生と北京大生の姿をぜひ見に来てください。
みなさんのご来場をお待ちしております。
教養学部4年 新城真彦