時間:7月10日
内容:①テーマへの理解 ②思いつきのトピック
一、テーマへの理解
「コトバと権力」という分科会の名前は一見分かりにくく、しかも新しく入ってきた分科会メンバーもそれぞれ理解を持っているので、初回分科会で各メンバーが「コトバと権力」への理解について話しました。最初に日本語、中国語、英語で権力とコトバの定義について勉強しました。
・日本語の権力
①権力【けんりょく】他人を支配し、服従させる力(明鏡国語辞典第二版より引用)
②権力【けんりょく】他人を強制し服従させる力。特に国家(明鏡国語辞典第二版より引用)
③権力【けんりょく】勢力、影響力、説得力などと同様社会的な《力》の一種で、通常制度化された強制力を意味する。狭義には、国家のもつ強制力、すなわち、政治権力、国家権力と同義に用いられる、他 方、最も広義には、権力志向型人間、企業内権力闘争などの表現にみられるように、社会的な力と同義 に用いられる。社会関係において作用する力という表象は、自然界における物理的力(重力、磁力、体力)、あるいは人間の内面における心理的力(忍耐力、自制力)との類推に基礎をもつ。(世界大百科事典第二版より引用)
・英語の権力
Definition of "Power"
Power {Noun, Verb}
①Control
(1) the ability to control people or things
(2) political control of a country or an area
②Authority - the right or authority of a person or group to do something
③Country - a country with a lot of influence in world affairs or with great military strength ④Influence
(1) (in compounds) strength or influence in a particular area of activity
(2) the influence of a particular thing or group within society
⑤Good/Evil Spirit - a good or evil spirit that controls the lives of others
【Reference: Oxford Advanced Learner's Dictionary 9th edition】
・中国語の権力
权利(quanli)
1政治上的强制力量。 2职责范围内的支配力量。 (百度汉语)
・日本語のコトバ
①人が声に出して言ったり文字に書いて表したりする、意味のある表現。言うこと。
②音声や文字によって人の感情·思想を伝える表現法。言語。
③文の構成要素をなす部分。単語。また、語句。
④言い方。口のきき方。口ぶり。言葉遣い。 (デジタル大辞泉より引用)
・英語のコトバ
Definition of "Language"
Language {noun}
①Of A Country - the system of communication in speech and writing that is used by people of a particular country or area
②Communication - the use by humans of a system of sounds and words to communicate ③Style of Speaking/Writing - a particular style of speaking or writing
④Movements/Symbols/Sound - a way of expressing ideas and feelings using movements, symbols and sound
【Reference: Oxford Advanced Learner's Dictionary 9th edition】
・中国語のコトバ
中国語(普通话)で「コトバ」に相当する 単語は何?
①语言 (yuyan)ー言語
②话 (hua) 言语(yanyu)ー 話し言葉
③词(ci)ー 単語
④言词(yanci)言辞(yanci) ー 言葉遣い
⑤说法(shuofa)ー 話し方
(小学館中日·日中辞典第3版を参照)
二、思いつきのトピック
①権力が絡む現象としての年賀状
自分より立場が上の人に年賀状を送らないと礼を失 する·お返し必須
もらった年賀状の枚数で人間関係の充実度を競う
→コトバを介した権力が作用する制度?
②「スローガン」の権力性
一般に組織は理念と向かうべき方向を示す「スローガン」を打ち出す→ 組織の内部·外部に方針を打ち出す以上の意味がある? コトバが集団意識を作り出し人々の行動に働きかける可能性 「スローガン」やそれに類するものは権力性を持つと言えるか?
③「学術」における権力とコトバ
学術語としての英語や西洋語の圧倒的な権威 言語によってアカデミアにおける権威性に差がある →単一言語が力をもちすぎることの功罪
複数言語による学術の可能性と限界
④権力がメディアを通して大衆を動かす
・メディアが世論に与える影響(大衆誘導)視聴率
・世界的にメディア不信(フェイクニュースなど)
・メディアと政治権力(権力の監視としてのメディアのあり方。日本はどうか)
・Post-truth:客観的な事実よりも感情的な訴えが政治に影響を与える。信じたいものだけを信じる。
・コロナを例に(感染者数、ワクチン、オリンピック、~警察などの言葉、買い占めなど)
・シルバー民主主義(政治だけでなくテレビなどのメディアもシルバー向け)
⑤SNS
・フィルターバブル、エコーチェンバー現象とその影響
・炎上について(先鋭化·過激化、正義感を持って攻撃、でも一時的ですぐ忘れる)
・政治問題もコンテンツ消費的な感じがする。少し待てばおさまるから好き放題できる。権力にとって都合がいい。
・中国SNS規制について、閉じた社会を形成する
⑥ジェンダー
「らしさ」の形成、無意識のうちに内面化して疑問を持たない。