「正義と国家政策」分科会の議長、劉です。
9月セッションが終わり、どの分科会もその反省を踏まえて2月セッションに向けて各自勉強会を進めているところではないでしょうか。
この分科会であえて「正義」という言葉を選んだのは、国が主体となって進める政策に関してその正当性から問えたら、と願ったからです。
単に政策の良し悪しを判断するのではなく、その裏にどういう思想が隠れ、どんな判断基準を持って決定されたものなのか、そしてそれは妥当なのか、といったことを中心に議論することを目標としています。
前半の勉強会では、「正義とは何か」「教育政策と正義」「コロナ政策と正義」という3つのテーマを大きく取り上げ、各自の興味分野を調査・発表してもらいました。メンバー一人一人が本当に博識で、関連する思想家や本を沢山あげてくれたり、色んな概念を持ち出して議論を進めてくれたりと、とても頼もしく思っていました。
そして9月セッションでは、前半の勉強会を踏まえて北京の学生とも一緒に議論をしました。お互いが第一言語ではない英語での議論なので、もどかしいところは多々ありつつも、各々の考えをぶつける機会も持てたのかなと思っています。
9月セッションを経て、「正義」という言葉を簡単に捉えすぎていたのではないか、「正義」を論じるにはまず議長の私自身がもっともっとベースとなりうる過去の議論への理解を深めなければならないのではないか、と反省もしました。基礎となる知識が不足しているのが原因で、議論が空回りしてしまう場面もあり、自身の不勉強を恥じました。正直思いのほか大きなテーマを据えてしまったのだなあと苦悩もありますが、今度は課題論文をベースに先人たちの知恵を借りつつ、地道に議論を進められたらと思っています。
最後になりますが、せっかく京論壇でこの分科会を希望してくれたので、それぞれが何かしらここで収穫があればなあと思うばかりです。2月までの時間、より核心に迫った議論ができるように、メンバーと一緒に勉強会を進めていく予定です。