12月18日には、京論壇OBで現在外交官としてご活躍されている田中宏樹さんにお話を伺いました。
ご経歴
2010年と2011年に京論壇に参加。代表を務めた2011年には、京論壇の活動を通じて得た中国の見方や日中の青年交流の価値を外部にも広めようと、駒場祭にてパネルディスカッションを開催するなど、様々な活動に尽力されました。東京大学法学部卒業後は、コロンビア大学で東アジア地域研究をし修士号を取得。文化や価値観が異なる各国が議論・協力している国連での努力に高校生のときに感動し、コロンビア大学で各国の実務家と議論したことがきっかけで、外務省を志されました。入省後は、G7・G20サミット、領事政策、北東アジア外交分野で活躍された後、アメリカのタフツ大学フレッチャースクールへ留学し、生徒会活動やコロナ対応でのリーダーシップが高く評価され大学の総長賞を授与されました。現在は、ワシントンD.C.の日本国大使館の広報文化班にて戦略的対外発信、メディア対応、大学・シンクタンクとの連携、草の根交流を担当し、活躍されています。
多様性への思い
小さいころ様々なコミュニティを移り渡り苦労する中、お母さまから「自分の個性を大切にしなさい。」と育てられた経験から、田中さんはこれまで多様性を大事にされてきたそうです。フレッチャースクールでの生徒会活動では、あらゆるバックグラウンドを持つ学生が排除されず、生き生きとした学生生活を送れるよう尽力されました。例えば、外交分野で多様な人材が活躍していることを取り上げたいと思い、女性外交官や世界各国の外交官を招いた学生向けのキャリアイベント・交流会を、ゼロから立ち上げ主催されました。その他にも、ヨーロッパや中東の学生が文化を紹介できる機会を提起したり、LGBTQの学生団体を支援するため手厚い予算配分を提案・実現されました。現在も多様性の価値を意識しながら、外交官として日米友好や国際協力のお仕事に取り組まれているそうです。
人生で大事にされている姿勢
「自分の生を全うすること。それこそが私の原動力です。」というお言葉は大変印象的でした。いつも自分の使命・情熱が何かを考え、挑戦され続けているそうです。限度を設定して現状に満足せず、目標達成後も次なる目標に向けて模索されています。「自身の個性をどのようにして最大限発揮し、それを社会に還元するか。そのための爆発的なエネルギーを常に持っています。」限りない向上心とそれを体現する行動力を持つとてもカッコ良い大人の方に出会えました。
田中さんのお話からは、ご自身の人生の中で成し遂げたいことに対する情熱やエネルギーを感じました。また、京論壇や今後の人生で大切な考え方をご共有くださいました。いただいた多くのヒントを胸に、私自身も様々な活動に励んでいけたらと思います。田中さん、改めて貴重なお時間をいただきありがとうございました。